シアトリズム ファイナルバーライン タイトル

約束された神ゲー シアトリズム ファイナルバーライン レビュー

はじめて遊んだファイナルファンタジーはIIIだった。RPGといえば、圧倒的なドラクエ人気の中、友達のお兄さんが、ファイナルファンタジーIIIをプレイしていた。ドラクエより全然むずかしい。ドラクエは子供が遊ぶゲーム。こっちは大人のゲームだ的なことを、お兄さんに言われた記憶がある。

大人への憧れから、親に頼み込んで買ってもらったけれど、当時はプレイできる時間が極端に制限されていたこともあり、全然クリアできなかった。

先頭のキャラだけをLV99にする裏技があると知り、親の目を盗みながら進めていき、なんとかクリアした。今だといわゆるチートだけれど、小学生だった自分にとってそれでも大きな達成感を味わうことができた。

私とファイナルファンタジーはそんな出会いだった。そして長い付き合いになり、現在に至るまで一部を除くほぼ全てのタイトルをプレイしてきた。

それぞれのナンバリングを、その時、その時は夢中でプレイしていたけれど、残念ながら物語の内容は時間の経過とともに記憶から薄れていき、断片的にしか覚えていない。

ただ、物語を彩ってきた音楽は、記憶に残っている。

音楽を聴くと記憶が連鎖的に呼び出され、なんとも懐かしい気持ちになれる。

「悠久の風」を聴くと、街やお城に入るときのSEや、エンカウントのSE、バトルBGMまでシームレスに思い出すし、「クリスタルタワー」を聴くと、切なくも力強いメロディに、今でも鳥肌がたつ。FFVの「メインテーマ」を聴くと冒険の始まりに心が躍り、FFVIの「仲間を求めて」は、崩壊した世界に絶望した記憶が蘇り、FFTの「Bland Logo~Title Back」を聴くと、壮大な世界観が思い出される。

上記はほんの一部だけれど、たくさんプレイしてきた分、とにかく無数の記憶が蘇ってくる。本作「シアトリズム ファイナルバーライン」は、そんな自分の心の奥底に刻まれた記憶を、音楽を通して思い出していく不思議な旅のようなゲーム体験だった。

自分にとってはある意味約束された神ゲーだったけれども、懐かしかったの一言では語れない魅力的なタイトルだったので、曲との思い出も交えながら振り返っていく。

ボリューム満点

まずもって、本作のすごいところはそのボリュームにある。DLCも入れると全部で523曲もあり、ファイナルファンタジーと名のつくタイトルからは、何かしらの曲が入っている。ファイナルファンタジー外伝として発売された初代聖剣伝説が入っているのはもちろん、ミスティッククエスト(※1)もあるのかよ!と一人感嘆した。

※1アメリカで先行発売されてその後、日本に輸入されたFFの外伝的作品。FFというかカラーになったSaGaじゃない?と思いながら遊んだ記憶がある。

FFシリーズだけではなく、ドラクエを除くスクエニの主要RPGが大集合しているボリュームだ。

しかも1曲あたり、3~4つの難易度が設定されており、難易度を含めたすべてにクリアフラグを残していくのは相当大変だ。

曲数だけでなく、選択可能なキャラクターが100体以上いたり、コレクションできるカードが1000枚以上あること挙げられる。すべて集めようと思うとそれなりの時間を費やすことになる。

サガもクロノ・トリガーも、聖剣伝説もニーアシリーズも、全部ある。フロントミッションとトバル、ブシドーブレード、バハムートラグーンはなかったけど。

ちゃんとRPG要素がある

リズムゲームでありながら、キャラクターはそれぞれ異なる性能を有しており、ステージのクエストの種類別に、キャラクターを使いわける必要があるのも楽しい。どのようなパーティーとスキル構成にすると、目標を達成できるのか。

キャラクターは選べてもレベルが低くてスキルを覚えていなければレベリングをするなど、しっかりとRPG的な要素が入っているのが面白い。

(レベリングできるとしてしまう癖があるので、すべてのキャラクターのレベルを最大まで上げたいという思いに駆られている。)

私は最終的に、このパーティーを中心にトロフィーコンプリートまでプレイした。

道中は、召喚獣で蹂躙しながら、とにかくボスまでたどり着ければ瞬殺できる構成。

単純に気持ちが良い

音ゲーだから当たり前なのだけれど、難易度が上がると、1回や2回のプレイではなかなかクリアできない難易度になってくる。クリアのお手本を見ながらパーツパーツで練習しながらものにしていく。最初は全然ついていけなくても、繰り返していくうちに、それなりにできるようになていく時のアドレナリンが出る感じは癖になる。

楽しすぎて、初めてトロフィーをコンプリートするまでやってしまった

今まであまり真面目にトロフィー集めをしたことはなかったけれど、本作は通常プレイの延長でコンプリートが狙えそうだったので、頑張った。(といっても全体の12%が達成できる程度の難易度ではあるけど)

おそらく大体80時間前後でコンプリートできた。

昔スクエニのRPGで遊んだ世代はプレイすべき

なんというか、本当に昔スクエニのRPGをたくさん遊んできた世代の人にはぜひプレイしてもらいたい。遊んでいた当時の情景が思い出されて不意に涙が出そうになるくらい懐かしい思いを味わうことができる。

過去のプレイ体験によって面白さが全然変わってしまうけれど、こういう体験ができるゲームはそう多くない。おそらくFF未プレイの人はこのゲームは買わないだろうけれど、過去作のプレイヤーへのスクエニからのギフトのような作品だった。

今回はFF35周年のタイトルということだったので、次は50周年でやってくれたらきっとまた泣きながらプレイする自信がある。

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