Technics EAH-AZ60で仕事環境をアップデートしたい

週2回だけオフィスに出社し、週3回は自宅で仕事をする。

コロナ禍は完全に日常になった。チームのメンバーが全員出社していることは稀になり、会社に出社してもオンラインにつないでMTGをしていることの方が多い。

間仕切りのないオフィスでも、みな自席でオンラインMTGをするので、まわりの声を拾いまくり、自分の仕事やMTGに集中できないことも少なくない。(概してオンラインMTGの声は大きくなりやすい)

私は、オフィスでのオンライン会議の際は、接続の安定と、まわりの音を拾いにくい単一指向性のマイクがついた有線のゲーミングヘッドセット(HyperX Cloud Revolver S)を使っていた。有線の安定感は抜群で非常に重宝したが、やはりケーブルは邪魔だし、長時間(5〜6時間も)つけていると頭が痛くなってくる。

単一指向性といっても、周りの話声を拾ってしまう問題は完璧には解決されないので、諸々を解決できないかと思い、色々物色していたときに、ワイヤレスイヤフォンである、EAH-AZ60にたどり着いた。

もちろんワイヤレスイヤフォンは約2年前に購入したAnkerのSound Core Liberty 2 Proを既に使っていた。1万円以下という低価格帯ながら全体的にバランスの取れた製品で、音楽を聴くという分野に関しては特に不満はなかったが、マイク性能がよくなかったり、マルチペアリングに対応していなかったりと、しっかりとトレンドからは2年分遅れ始めていた。

そんな訳で今回の買い物は、仕事でのオンラインMTGのあれやこれやを一気に解決してくれる事を期待して、購入することにした。

購入金額は27,720円。主な使い道は

  • 通勤中の音楽/動画鑑賞用
  • 職場でのオンラインMTG用

の2パタンだ。通勤中はiPhoneで音楽を聴き、職場ではMacに繋ぎ、まわりの声を遮りながらオンライン会議で使用する。この2パタンをシームレスに行き来したかった。おそらくメーカーの思惑通りの使い方だが、実際どうだったのか、レビューしていく。

マイク性能:確かに周りの音は拾いにくい

公式サイトには、

自分の声だけをクリアに相手に届ける独自の通話音声処理技術「JustMyVoice™」テクノロジー搭載

とあるように、確かに、まわりの音は拾わず、自分の声だけを拾ってくれる。マスクをつけていても、それほど籠もることなく、自分の声だけを拾えるのはすごい。

公式の公開している動画はわりと本当だった。左右合計で8個もマイクがあり、毎秒15000回も音声解析をしているというのは伊達じゃない。オフィスでも自宅でもオンラインMTGでは大活躍してくれている。

ただし、長時間使用していると、だんだん音質が悪くなったり、Google meetが認識してくれなかったり、マイクの集音機能が不安定になったりと、ワイヤレスが故の問題が完全に潰れることはなさそうだ。

マルチポイント/マルチペアリング:iPhone/Macの切り替えには課題あり

優れたマイク性能に対して、次に期待していたマルチポイント機能については、iPhone/Mac間でうまく切り替わらないことが時々だが発生する。

Macに接続したまま作業していて、帰宅するためにMacをスリープ状態にし、同時接続しているiPhone側から音楽を再生しようとすると、音が聞こえなくなる。iPhone側では、EAH-AZ60への接続と出力先としても認識されていて、音量もある程度の大きさにしていても何も聞こえない。iPhoneで音楽を再生すると、「ぷぷ…ぷぷ」という音が聞こえるだけでその後音楽が再生されない。

こうなると、本機とiPhoneの接続をしなおすくらいでは、もとに戻らない。Bluetooth情報を削除しても改善せず、工場出荷時に戻しての再ペアリングでようやく音楽の再生が確認できた。復旧の方法がわからず、サポートに問い合わせた際の回答を掲載しておく

工場出荷設定に戻す(お買い上げ時の状態)

  • 充電ケースからR側イヤホンを取り出す
  • イヤホンのLED(青)が点灯している間に、タッチセンサー(R)を 約7秒タッチしたままにする
  • LEDが交互に青と赤の点滅になります(一旦、指を離します)
  • タッチセンサー(R)を約10秒タッチしたままにする
  • LED(青)が高速点滅し、電源が切れ、お買い上げ時の状態に戻ります
  • L側のイヤホンも上記手順1~3を同様に行う ※接続している機器側のBluetooth設定で、一度デバイスを解除(削除)してから、新たに、ペアリングをお試しください。
  • バランスのよい音質

    音質は非常にバランスが取れている。高低のどちらが極端に強いわけでもないが、一つひとつの音がちゃんと鳴っており解像度が高い印象だ。iPhoneで普通に音楽を聞いているだけだと、飛び抜けてよい音だなと実感はしないが、LDAC対応のandroidでハイレゾ音源を再生すると、さすがの高音質を体感できた。

    ノイズキャンセリングは普通

    EAH-AZ60のウリの一つである、ノイズキャンセリング機能については、一応ノイズキャンセリングもされているというレベルだった。普段使っているSONYのWH-1000XM2というヘッドフォンのノイキャン性能を10とするとEAH-AZ60は5か6といった具合。静かな空間を持ち運ぶ感覚を得られたWH-1000XM2とではノイズキャンセリングの効き具合にかなりの差があると言える。ノイズキャンセリングは、あまり期待しないほうがよい。

    個人的には見た目も気に入っている

    その他の使い勝手

    ケースは小型で使いやすい。多少の安っぽさは感じるものの軽さと持ち運びやすさに振りきってている。バッテリーのもちは普通。可もなく不可もなし。

    朝7:00時に装着しiPhoneで音楽を効きながら出勤し、そのままオフィスでMacに接続して仕事をしていると、11:00過ぎには50%程度になり、12:30に20%以下という減り方だった。その後1:30までケースに入れておくと再び100%になっている。ノンストップで使い続けられるほどではないが、時々休憩が挟まれば十分実用的なもちといえる。公式では約7.0時間(ノイズキャンセリングON、AAC)とのことなので概ね公称通りだと思われる。

    タッチセンサーでの操作は、誤作動が多く使いやすいとはいえない。シングルタッチで再生/停止、そのままタッチしっぱなしでノイキャン/アンビエントの切り替えだ。

    公式サイトに、タッチ操作の一覧が載っていたのでリンクを貼っておく。なかなか覚えられない。

    EAH-AZ60のペアリング方法は少しトリッキー

    イヤフォンのLEDが青に点灯しているときに、タッチセンサーに7秒触れLEDが赤青交互に点滅することでペアリングモードになる。ペアリングへの入り口である、LEDの青点灯が5秒と短く、直感的にペアリングモードに入れないため、ほぼ確実に一度取り外す必要があり、ペアリングはしにくい。(というか何度かやったが、毎回やり方を忘れて調べてる)

    まとめ、Technics EAH-AZ60で、仕事環境はアップデートできたのか。

    多少想定どおり行っていない感はあるものの、概ねアップデートできたと思うことにしている。iPhoneで音楽を聞いたまま、Macを開いてオンラインMTGを開始し、音声環境がシームレスに移行できる気持ちが良さは格別だし、マイクの品質にも満足している。

    コストパフォーマンスが高いとは言えないが、目的に対しては、価値のあるプロダクトだったのでしばらくはメインのワイヤレスイヤフォンになりそうだ。