RED DEAD REDEMPTION IIは傑作なのか。古典文学が如き作品を検証する

2018年でもっとも休まれた1日

ふと6年前にプレイを投げ出したRED DEAD REDEMPTION II(以下RDRII)というゲームが気になった。

RDRIIは2018年に発売され、当時全米では社会現象になるほど圧倒的な盛り上がりを見せた作品だ。Wikipediaによると、発売日に全米の労働者階級が一斉に休み、2018年でもっとも休まれた1日になったらしい。グランド・セフト・オートシリーズが好きな私も発売直後に購入したが、プレイフィールがしっくり来なかったのか、他のゲームが忙しかったのかは覚えていないけれど、少し遊んで投げ出していた。

そして、いつかクリアまで遊びたいなと思いながらも、次々と出てくる新作ゲームやFFXIVのパッチのプレイに忙しくなかなか再開できずに、6年の歳月が経過してしまった。

そんなある日、また荒野を馬で駆け回ってみたい衝動に駆られた。加えて、世界で圧倒的な支持を受けたゲームというのは本当なのか。どうにも検証したくなってきたので、棚の奥にしまってあったケースからDiscを取り出し、PS5を起動した。

本記事では、なにが当時のプレイを妨げたのかを紐解きつつ、どこから面白くなっていくのか世界的に支持された理由はどこにあるのかを考えていく。一度投げ出した人の再プレイのきっかけにしてもらえると嬉しい。

本記事執筆時点の、進捗は、ストーリーが20%前後。チャプター2の途中までプレイ中だ。

難解なアメリカ文学の長編小説を読んでいる感覚

そもそも、どんな話だったかというと、パッケージの裏に以下のようなストーリーの記述があった。

1899年、アメリカ。開拓時代が終わりを告げた。

西部の町、ブラックウォーターで大掛かりな強盗に失敗したあと、アーサー・モーガンとダッチギャングは逃亡を余儀なくされる。連邦捜査官と国中の賞金稼ぎに追われる中、ギャングたちが生き延びるためにはアメリカの荒れた土地で強奪、暴力、盗みを働くしかなかった。抗争に関わるほど、ギャングはバラバラにされる危機に見舞われる。アーサーは、自らの理想と自分を育ててくれたギャングへの忠誠、そのどちらかの選択を迫られる。

PS4 パッケージ裏面の説明より

ふむふむ。そんな話だったかとプレイを再開してしばらく遊んでいると、当時の自分がなぜ投げ出したのかがわかってきた。その理由はだいたいこんな感じ。

  • 移動しながら字幕の文字が読めない
  • その結果登場人物が覚えられない
  • 操作が複雑で覚えられない
  • 移動が馬だけでだるい(ファストトラベルがない)→できるようになった
  • 全体的に説明不足でゲームがOSレベルで理解できない

移動しながら字幕の文字が読めない

ゲームのシステム上、ストーリーが馬での移動中の会話で展開されていくが、移動の操作をしながら字幕の文字を読むのが辛い。文字に気を取られていると道を間違えるし、馬の操作に気を取られていると字幕を見逃す。常にスマホを触りながら自転車を運転しているような感覚だ。

馬車移動はまだましで、特定の誰かに馬でついていく時がしんどい。

ゆっくりと、目的地に向かっていく時はまだよいが、追手から銃撃され、反撃しつつ逃げる。という時など全く字幕が目に入らない。◯◯を××しろ!みたいな指示も見逃してしまう。

挙げ句、登場人物が多く誰が誰だかわからない。なんとなく主人公アーサーとの会話で関係を理解していくが、会話の中で、ホゼアが〜と出てきても、しばらくホゼアって誰だ…?みたいな感覚が続く。

英語でのオリジナルを作成していた時に、字幕によってプレイ体験が損なわれることは検証しなかったのかはわからないが、まるで読みにくい長編の古典文学を読んでいるが如く、何度も離脱しそうになる。

操作が複雑で覚えられずDEAD

ストーリーを読み飛ばしてしまうのと同様、1回プレイして3日空くと、操作方法がわからなくなっている。銃を構える、しゃがむ、馬に乗る、馬を呼ぶ、アイテム欄を開く。などの基本動作が覚えられない。結果的に以下のようなことが起きる。

  • 緊迫した銃撃戦のさなか、優雅に日誌を開くという謎のムーブを発動しDEAD
  • 敵に追われながら武器を構えようと思ったら、馬から降りるボタンを押してしまい落下DEAD
  • 物陰に隠れたいけどしゃがむボタンがわからずに、全身をさらして銃撃戦に挑んで蜂の巣DEAD

という感じでミッションを失敗しイライラし、投げ出したくなる。挙げ句、「リスタート」「リトライ」という選択肢もどっちが直前からはじまるのかわからず、頭を抱えることもしばしばあった。

移動が馬だけでなかなかしんどい(ファストトラベルがない) →できるようになった※

雄大な大地を駆け巡りたくて再開したくせに、いざ荒野に放たれると、その移動のしんどさがじわじわストレスになっていた。一つミッションを達成したら、本拠地に戻って体力を回復してセーブ。みたいなRPG的な感覚が染み付いているので、終わったらその場から再度別のミッションに向かう。というのがしっくり来ない。

RED DEAD REDEMPTION II 夕暮れのフィールド

さらに目的地への移動はほぼ馬で自力移動のため、1つ2つミッションをクリアする移動が面倒すぎて今日はこのくらいでいいか…とプレイを辞めてしまう。移動時間としては数分なんだけれどこれがとても面倒である。

こちらもまるで、読みにくい長編の古典文学を読んでいるが如くだ。

全体的に説明不足でゲームがOSレベルで理解できない

ゲームはしばらく遊んでいると、ゲームの全体像というか、仕組みや決まり、表示内容などOSレベルで理解できるものだが、本作はなかなか理解が進まない。

  • 体力とスタミナ、目のマークの意味や見方
  • 気温や時間はどこで確認できて、何に影響するのか
  • オートセーブがいつ走っているのかわからない
  • ミッション失敗時の「リスタート」「リトライ」の意味
  • DEADとなったあとに所持金がもっていかれる金額
  • ギャングの集いを襲撃したり、襲撃されたギャングを撃退したりと相当数のギャングを葬り去っているけど、これで復讐されないの?

などなど、わからなくてもプレイに支障はないのだけれど、イマイチちゃんと遊べている感じがしない。

現在ストーリーの進捗は20%前後。チャプター2の途中までプレイしての感想は上記の通り。今のところ世界が絶賛するほど楽しめてはいない。

それでもプレイを続けているのは、雄大な荒野を闊歩する楽しさはもちろん、ストーリーの面白さと主人公アーサーの魅力、そしてどこから面白くなってくるのか。というゲームへの興味だ。またもう少し進めたら続きを書いてみようと思う。

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