Z8があるのにマイクロフォーサーズのOM-3を買った話

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2024年に清水の舞台から飛び降りる思いで、NikonのZ8を購入した。Nikonの一眼レフを手にとって約20年でたどり着いたフラッグシップスペックのカメラだった。

Z8から出てくる写真は想像通り圧倒的だった。24-120や50mm f1.8 Sからはバチバチに解像した写真が出てくる。これは本当に、自分が撮影したのか。と思うこともしばしば。

ビジネスイベントの撮影から、息子との日常、旅行まで幅広い用途で活躍している。

ただし、気軽に持ち出す機材としては大きすぎた。撮影がメインの目的の時はもちろん持ち出せるのだけれど、ちょっと子供を撮りたいとかスーツケースに子供分含めて荷物を詰め込んで持っていく家族旅行(特に電車での移動)の時に、物理的にZ8クラスのカメラを持ち出すのが極めて困難だった。

そんな理由で、Z8を購入して2か月後にはZfcと26mm f2.8のレンズを購入した。それから1年。いろいろなところに携行して、スナップシューターとして活躍してもらっていたのだけれど、何かが物足りなかった。

それは、出てくる絵だったり、ひと手間ある操作とホールド感、本体に手振れ補正がないなどなど。どうしてもZ8と比べてしまっていた。(それでも使っていたんだけど)

きっかけはシャッターフィーリング

ある日、なんとなく大手量販店で、Nikon以外の機材をさわってみた。基本的にNikon以外のカメラに興味はないので、最近の他社のカメラはどんなものかなくらいの気持ちでさわっていたんだけれど、OM-SYSTEMのカメラを見たときに、小さっ。と思ってしまった。

僕が手に取ったのは多分OM-1 M2だったと思うのだけれど、小さなボディに機能が凝縮されているメカ感に好感を持った。そして手に取ってシャッターを切ると、なんとも心地よいシャッター音と振動だった。

Z8で物理的にシャッター音がしないのは、個人的にはマイナスポイントだったこともあり、久しぶりのちゃんとしたシャッター音と振動がとても気に入ってしまった。

レンズが小さくて安い

センサーサイズがフルサイズと比べると小さいので、全体がコンパクトにまとまるのは当たり前なんだけれど、それにしても小さい。そして安い。

わかりやすいように大三元レンズで比較してみた

標準大三元レンズ

レンズ マウント 焦点距離(換算) 重さ 価格
M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO II MFT 24-80mm 382g 約10万
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II Nikon Z 24-70mm 675g 約33万

F2.8通しの標準大三元である12mm-40mmが382 gで10万以下である。
同じ大三元でもNikonの24-70mmは675gで30万以上する。
重さは 4割以上軽くなり、値段が1/3という事実を知って、ちょっと衝撃を受けた。

望遠大三元レンズ

レンズ マウント 焦点距離(換算) 重さ 価格
LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm F2.8 MFT 70-200mm 360g 約13万
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II Nikon Z 70-200mm 998g 約44万
M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO MFT 80-300mm 760g 約20万

ここが最もインパクトが大きい。
40-150mm F2.8が760gで実売20万である。換算300mmを開放2.8で撮れてしまうレンズとしては非常にコンパクトに収まる。300mmをF2.8でとなるとSONYのGMレンズだと1.4kgで90万もするクラスである。

さらに換算200mmでよければ、360gで13万円というもはや二度見するレベルのサイズ間になってくる。

Z8に24-120mmを付けたときがだいたい1.5kgくらいになるので、倍以上の焦点距離で1段明るいレンズで1kgちょいで運用できてしまう。

Z8 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S この装備でだいたい1,540gになる

この事実に驚愕してしまった。50-200mm(換算100-400mm)のF2.8通し!が45万で出ていることにも衝撃を受けたけれど。

実は次は望遠レンズを買おうと思っていた。

NIKKOR Z 100-400mm(f4.5-5.6)を買うかをしばらく迷っていた。30万で1.3kg。Z8と合わせると2Kgを軽く超える。

この機材、日常的に持ち出すか…?とずっと自問自答していた。多分子供を撮るにしても年1~2回しか出番がなさそうである。

OM-SYSTEMにはPanasonic側にH-ES50200という655gで換算100-400mmでF2.8-4が20万以下という恐ろしいレンズもある。1kgちょいで400mm届きますやん。と思わず関西弁になるくらいびっくりしてもうだめだ(購入不可避)と思った。

フルサイズだと標準域の大三元レンズのサイズ感覚で400mmまで持ち出せるのかよ!となった。

超望遠レンズ 換算400mm以上

レンズ マウント 焦点距離(換算) 重さ 価格
LEICA DG 50-200mm F2.8-4 MFT 100-400mm 655g 約20万
M.ZUIKO 100-400mm F5-6.3 IS II MFT 200-800mm 約1.3kg 約15万
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S Nikon Z 100-400mm 1,355g 約31万
NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR Nikon Z 180-600mm 約2kg 約20万
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S Nikon Z 400mm(単焦点) 1,160g 約40万

換算400mmであれば、1kg以下で余裕で到達してしまうMFTの凄さが際立つ。超ざっくりまとめるとこのあたりの焦点距離からは重さはおよそ半分程度まで軽量化する。

単焦点 35mm相当の比較

レンズ マウント 焦点距離(換算) 重さ 価格
M.ZUIKO 17mm F1.8 II MFT 34mm 112g 約5万
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S Nikon Z 35mm 370g 約10万

単焦点レンズ 50mm相当の比較

レンズ マウント 焦点距離(換算) 重さ 価格
M.ZUIKO 25mm F1.8 II MFT 50mm 156g 約5万
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S Nikon Z 50mm 415g 約7万

明るい単焦点レンズは100g台。小さめのバッグに入れてスナップ撮影に持ち出すのにもってこいのサイズだ。

注意点 フルサイズとマイクロフォーサーズのF値は単純比較できない

マイクロフォーサーズは、センサーサイズが小さいため、同じF2.8でもボケの量はフルサイズのF5.6相当(2段分下がる)になる。図にすると以下のようなイメージだ。(光学の専門家ではないので、完全に正しい説明かどうかの保証はできないのだけれど)

錯乱円・角度の比較図

圧倒的な手振れ補正にコンピューテーショナルフォトグラフィ

OM-3には、非常に強力な手振れ補正とカメラ側でNDフィルターをかけられたり、手持ちで5000万画素に合成してくれたりと、センサーサイズの小ささを技術でカバーしつつ、普通だと別途フィルターがないとできない撮影を本体のみで可能にしていたり、非常に頑張っている。

OM Digital Solutions OM-3 M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II ƒ/3.5 0.5s
雨の渋谷を撮った一枚。1/2秒で全く手ブレしていない。(クリックで高解像度データを表示)

前述の小さなレンズ群と組み合わせることで、今までのフルサイズではできなかった撮影が三脚もフィルターもなくできるかもしれないと思った。撮影体験が大きくかわるくらいの可能性だと思う。

OM Digital Solutions OM-3 M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II ƒ/3.5 0.5s ISO-200
ISO200なら夜でもノイズはほとんどでない(クリックで高解像度データ表示)

高い防滴性能

上記の写真を撮影したのは、しっかり雨が降る夜の渋谷だったので、カメラも自分も結構びしょびしょになっていたけれどまったく問題にならない強さがある。

公式サイトには、水をかけている動画も上がっていて、多少の水濡れは全く問題ないことがわかる。https://youtu.be/yZ2rEdLQ1mA?si=p4EtPfArYr_PoJOh

職業カメラマンではない自分にとって最高にちょうどよい存在

僕は仕事でカメラを使うことはあるけれど、写真の仕事だけで食べているわけではない。カメラは趣味であり、普段は子供や風景を撮影している。そんな自分にとって、このマイクロフォーサーズのカメラ・レンズラインナップはコスト面を考えて非常に魅力的に見えた。

ただNikonが高くてでかすぎるから、マウントごと引っ越そうと思ってはいない。フルサイズとマイクロフォーサーズはそもそも用途が全然違う。Z8は引き続き仕事やここは外せないぞ。という本気で撮りたい時には使い続ける。

日常のスナップを楽しく撮るノンプロのカメラ好きが使う機材として、OM-SYSTEMは最高にちょうどよい存在に思えた。

OM-1 MarkIIかOM-3か。

OM-SYSTEM を買ってみようと決めたけれど、OM-1 M2にするかOM-3にするかが非常に悩ましかった。価格差が3万くらいしかない。最終的には持ち運びスナップ用途でOM-3を選択したけれど、そのうちOM-1 M2はそれはそれで買っちゃいそうなくらい悩んだ。フラッグシップが23万で買えてしまうのはやはり安すぎる。

最終的にOM-3を選択したのは、主戦場を子供撮影のスナップ機としたから。

おそらく前述の50-200mmか40-150mm F2.8を買ってみることになるとは思うのだけれど、その時はグリップも買おうと考えている。

普段はグリップがなくても撮れるけれど、今日は望遠を持っていくぞ。というときにグリップを付けられる。グリップをつけると当然その分重たくなるのだけれど、引き算も足し算もできるのは、OM-1 ではなくOM-3だと思った。

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まとめ:フルサイズユーザーこそ、一度触ってみてほしい

Z8を握り慣れた手でOM-3やOM-1 Mark IIを持つと、そのコンパクトさに思わず笑ってしまう。

可愛らしいとすら感じるサイズなのに、中身の作りが本物すぎるのだ。フルサイズしか眼中になかった自分が、すっかりやられてしまった。しかもOM-3にするかOM-1 Mark IIにするかで、また相当迷うことになる。そもそもこのカメラを選んだ一番の理由は、息子との日常を軽快に撮ることだった。Z8では難しかった気軽な持ち出しが、OM-3ならできる。

最後に。僕はずっとNikonを使ってきたし、これからも使い続けるので Nikonをはじめとしたフルサイズがダメというつもりは全くない。つまるところマイクロフォーサーズはセンサーサイズの小ささを中心に機材一式を小型化できるけれど、ボケを起点にした写真の表現力ではフルサイズには劣るということではある。

本エントリーでは、これまでフルサイズの方しか見てこなかったけれど、ふと立ち止まってマイクロフォーサーズ陣営をみてみたら、色々な意味で非常に魅力を感じたことを伝えたかった。

カメラは自分が何を優先したいかで選ぶことが重要だと思う。

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