【レビュー】Lenovo Yoga Tab Plusという新たな大画面タブレットの選択肢

世の中には本当に様々なガジェットのカテゴリーが存在している。 一度そのカテゴリーの商品を使い始めると、数年に一度はどうしても買い替えが発生していくものだ。さらに厄介なことに、このカテゴリーというのはニーズの細分化に合わせてどんどん広がっている。

細かいニーズへの対応によって、暮らしは確かに便利になっていくのだけれど、同時に新しい買い替えプロセスも始まってしまう。一度はまったら、なかなか抜け出せない「沼」でもあるのだ。 頭ではわかっていても、新たなカテゴリーがもたらす未知の体験へのワクワク感は募るばかりで、散財は止まらない。

今日紹介するのは、タブレットの中でも「大画面タブレット」という、さらに細分化されたカテゴリーの製品だ。 タブレットは既に持っていたとしても、画面サイズによって体験がまるで変わる。「大画面タブレット」は、通常のタブレットとはもはや別カテゴリーと言っていいと思っている。

そんなわけで今回は、ずっと気になっていたけれど未体験だったこのカテゴリー、Lenovo Yoga Tab Plus(12.7インチ)を購入してみた。 先に結論を言ってしまうと、「作業用PCの完全な代わり」にはならないけれど、「最高のコンテンツ消費マシン」としては最強のコスパなんじゃないかと思っている。

iPad Proが高すぎて諦めていた人に、新たな選択肢として使用感をレビューしていこうと思う。

\楽天ポイント5倍セール!/
楽天市場

購入のきっかけ:iPad Proの限界と価格の壁

2019年に購入した11インチiPad Pro(第一世代)も、使い始めてもう6年が経つ。 最新のiPadOS 26.1にアップデートしてからというもの、標準の写真アプリがフリーズしたり、動画再生に引っかかりを感じたりと、動作の遅延(ストレス)を感じる場面が増えてきた。

「そろそろ買い替え時か」と思ったものの、最大の壁はやっぱり価格だ。 当時、整備済み品などで一式約12万円で揃えられたiPad Proだけれど、現行モデルの13インチを揃えようとすると、ミニマムでも21.8万円からになってしまう。キーボードやペンを含めれば25万円を超えるコースだ。

「Proじゃなくてもいいのでは?」と何度も自問したけれど、一度Proの120Hz(リフレッシュレート)に慣れると、60Hzの画面には戻れない体になってしまっていた。 そんな中、ここ1年ほど注目していたのがAndroidタブレット市場だ。Xiaomiなどを筆頭に、iPadの半額以下で高性能な製品が増えている。

明らかに安い。Lenovoという選択肢

そして見つけたのが、今回購入したLenovo Yoga Tab Plusだ。スペックと価格を見た瞬間、「これは見つけてしまった…」という感覚だった。

  • 画面サイズ: 12.7インチ(iPad Pro 13インチとほぼ同等)
  • リフレッシュレート: 144Hz(ヌルヌル動く)
  • SoC: Snapdragon 8 Gen 3(ハイエンド〜準ハイエンド級の処理性能)
  • 価格: 定価でも8万円台後半

定価でも十分安い。でも今回はさらなるコスパを求めて中古市場を駆使することにした。 メルカリでほぼ新品を69,800円で購入。さらに純正キーボードをオークションで約5,000円で落札。 なんと、合計約74,800円で、キーボード付きの大画面ハイエンドタブレット環境が完成してしまった。iPad Proセットの1/3以下である。

12.7インチの実力:作業はできるのか?

テキストワーク単体は「快適」

これまで何度もタブレットでの作業に挑戦しては挫折してきたけれど、12.7インチというサイズ感は別格だ。 画面が広いため、ウィンドウを並べても窮屈さがなく、テキストワークなら問題なく完結する。11インチからたった1.7インチの差なんだけど、体感は「ノートPC」にかなり近づく。これまで外部ディスプレイが必須だった作業も、これ単体でこなせるようになった。

純正キーボードとスタンドの優秀さ

安く手に入れた純正キーボードだけれど、打鍵感は少し硬めなものの、長時間でなければ必要十分なクオリティだ。 特筆すべきは付属の背面スタンド。キーボードと分離するタイプなので、動画を見るだけの時はキーボードを外してスタンドだけで自立させられる。これが地味だけど非常に便利だ。

ちょっと指紋が付きやすいのが気になる。
ここまで角度を浅くできるので、ペンを使うときも便利。(ただし揺れる)

トラックパッドのクリック感はやや重め。ウィンドウのドラッグ操作なんかは、片手だと少しもたつく印象があった。

日本語のキーボードなのはうれしい

PCモードとタブレットモードの功罪

Lenovo Yoga Tab Plusには、Windowsのようにウィンドウを自由に配置できる「PCモード」が搭載されている。 期待していた機能なんだけれど、正直なところ「発展途上」という印象だった。

脳が混乱するUIの挙動

タブレットモードとPCモードを行き来していると、操作体系が微妙に変わるため脳が混乱する。 「PCモードで使いにくいからタブレットモードに戻す」という運用もできるけれど、それぞれでUIの作法が違うため、行ったり来たりせずに「PCモードだけ」で使い切る覚悟が必要かもしれない。

アプリの最適化不足

執筆時点(バージョン:17.5.10.036 / Android 16)で遭遇した、PCモード時の挙動の怪しさを挙げておく。

  • Google Chrome
    • ウィンドウ最大化時以外、タブの挙動が怪しい(見えないタブが存在しているような判定になる)。
    • 検索バーへの入力が通らないことがある。
  • Notion
    • 左メニューが表示されなくなるバグが発生(アプリ再起動で直る)。
  • ChatGPT
    • Enterキー(Ctrl+Enter含む)での送信ができない。
    • どうやらPCモードでも、タッチ操作前提の「タブレットとしての挙動」がそのまま残ってしまっているようだ。
    • 最新のiPadOS 26.1のように「キーボード接続時はEnterで送信」という自動切り替えがうまくいっていない模様。

正直なところ、これらの挙動がAndroid OS自体の仕様によるものなのか、Lenovoが独自に実装しているUI(PCモード)側の問題なのか、あるいはアプリ側の対応不足なのか、僕には判断がつかなかった。 他のAndroid大画面タブレットと比較できていないので断定は避けるけれど、ユーザーとしては「なんとなく挙動が怪しい」と感じてしまうのが現実だ。

「ブラウザベースでバリバリ仕事をする」という用途だと、Chromeの挙動などは少しストレスになるかもしれない。

結論:誰におすすめか?

このタブレットは、「PCは持っているけれど、場所を選ばずリッチに使えるサブ機が欲しい人」、そして何より「iPad Pro 13インチは高すぎて買えない!」という人に最適だ。 ハードウェアのビルドクオリティは非常に高く、所有欲もしっかり満たしてくれる。

コンテンツ消費メインなら「買い」

もしあなたが、PCを持たずにこれ1台で全てをこなそうとしているなら、素直に中古のノートPCをおすすめする。UIのクセに時間を取られるのはもったいないからだ。

けれど、「コンテンツビューアー」としては最高峰だと思う。 12.7インチの大画面で読む雑誌やムック本は、11インチでは味わえない感動がある。 また、学習用途でも威力を発揮する。図説の多い参考書やビジネス書を、拡大縮小せず一画面で見開き表示できるため、情報の一覧性が高く、勉強への集中力が途切れない。

「作業もできる大画面タブレット」を安く手に入れたい。そう考えているなら、このLenovo Yoga Tab Plusは間違いなく有力な選択肢になるはずだ。

\楽天ポイント5倍セール!/
楽天市場