Dynabook RZ LVレビュー:高性能で軽量なノートパソコンの魅力とは?

先日他界した父からdynabook RZ/LVというノートPCを譲り受けた。

最初はいらないかな…と思ったが、重量やスペック、販売時期を見てこれは普通に使えるかも……と思い実家から持ち帰りいじってみることにした。

実際に触ってみると、すぐに完成度の高いモバイルノートPCであることに気付いた。さすがに国産のブランドで25万円近くするだけあり、持ち歩くメインマシンを探している人には有力な選択肢になりうると感じた。どのあたりに完成度の高さを感じたのかレビューしていく。

▲dynabook RZ/LV

dynabook RZ/LVスペック

まずはスペックから。

OSWindows 11 Pro 64ビット
CPUインテル Core i7-1260P プロセッサー
CPUコア数12コア/ 16スレッド
メモリ16GB(16GB×1)/最大16GB
ディスプレイサイズ14.0型ワイド(16:10)WUXGA高輝度・高色純度・広視野角(Low blue light)(非光沢)
SSD512GB SSD
光学ドライブなし
無線LANWi-Fi 6(IEEE802.11ax)(2.4Gbps)+IEEE802.11ac/a/b/g/n
BluetoothBluetooth(Ver5.2)
スピーカーステレオスピーカー
Webカメラ有効画素数 約92万画素(Webカメラシャッター付き)
認証指紋
OfficeMicrosoft Office Home & Business 2021
外形寸法(mm)約312.4mm(幅)×約15.9mm(高さ)×約224.0mm(奥行)
駆動時間約20.5時間
重量約940g

予想よりもはるかにパワフルだった

モバイルを主目的にしたPCに性能は期待できないのだが、よくよくCPUの仕様を確認すると、コア数がなんと12もある。単純な性能だと、10 CoreのM1 Proと同等かそれ以上というベンチマークスコアが残っている。しれっと載っているDDR5のメモリの効果もあってか、ひと昔前はグラフィックボードが必須だったようなゲームなども品質を下げれば無難にこなせてしまう。

わずか940gというモバイルPCでありながらも、メインPCとしても十分に運用可能な性能を持ち合わせていた。

FF14も動く

実際にプレイしてみた様子


▲標準品質ながら、問題なく動作している

充実のインターフェース。キーボードも及第点

インターフェースの充実も目立つ。左側面に、Thunderbolt4端子が2つついている他、HDMI、USB-Aがあり、右側にMicroSDスロット、LANポートもついているのは利点の一つになる。これだけのインターフェースが揃っていると、USB-Cハブを考える必要もなく持ち運び時に余計な荷物を持たずに済むのが大きい。

▲本体左側面のインターフェース。

Thunderbolt4端子がついているのは本当にありがたく、ケーブル一本で充電しながらモニタにから映像出力もできる。一度経験するともう過去には戻れないレベルで便利なインターフェースだ。

▲キーピッチはしっかり19mm

キーボードもかなり頑張っている。通常の文字部分はキーピッチ19mmを確保している。一部の小さいキーが押しにくいが、慣れてくると非常に快適にタイピングできる。付属のトラックパッドも、引っ掛かりが少なくとても使い勝手がよい。Windowsはなかなかよいトラックパッドを搭載しているものが少ない印象だが、本機は比較的ダイレクトに指の操作が動作に反映される。Macに引けを取らないスムーズさだ。

キーボードに極端な癖はない。音量の調整にFnキーとの同時押しが不便だなとは思うが、入力操作系は一定の品質レベルが担保されていて、慣れてくれば仕事で長文を書くのにもなんら問題はない。(本稿も全てdynabook RZ/LVで執筆している)

Type-C給電による取り回しの良さ。バッテリーアダプタの汎用性が高い

携帯性を考えた時にもはや必須要件といってよいのが、USB Type-Cでの充電に対応した電源アダプタの仕様だ。専用の電源アダプタを持ち歩かずとも、普段Macで使っている電源アダプタがそのまま使えるので考えることが少なくて済む。そしていざという時はスマホのように、モバイルバッテリーからも給電ができるのも便利だ。

14インチという丁度よさ

モバイルを前提にした場合、13インチ以下になることが多いが、13インチはやや画面が小さく作業効率が下がる。12インチのMacBookを所有していたことがあるが、かなり作業は苦しかった。反対にこれが15インチだと作業の効率はあがるが、持ち運び用としては、やや大きい。カフェや新幹線の机などで、作業できないことはないが、かなり窮屈になる。限られたスペースでの利用を考えると14インチは丁度よいサイズだ。

バッテリー20時間は盛りすぎ

メーカーの公称値は20.5時間のバッテリーだが、実際の利用だとおそらく半分以下。6~7時間くらいしか持たない気がする。ファンがフル回転するゲームを30分ほど遊んでいたら90%あったバッテリーが48%程度まで一気に持っていかれたので、1日中電源のない環境で仕事ができるかと言われるとちょっと心もとないというのが正直なところだ。

軽さは正義だと思う。

ノートPCは家でも外でも、場所を選ばず持ち運んで使って初めて意味を成す。性能に全振りの3Kg以上あるゲーミングノートを所有していたこともあるが、使っていた3年間で4回くらいしか持ち出さなかった。(これは本当に重たすぎた)ゲームを本気でやるならデスクトップでよいのだ。

そして、年齢を重ねるにつれ、ガジェット類の重さが気になるようになってきた。普段持ち歩いているM1 Pro MacBook Pro 14インチは1.6Kgでちゃんと重たい。

どんな作業も平均以上でこなしてくれるし、かっこいいし性能は文句のつけようがないけど、やはり重たい。

本機dynabook RZ/LVは上述のMacBook Proと同じ14インチながら0.94Kgしかない。これだけ軽いと、メッセンジャーバッグに入れて、どこにでも持ち出したくなる。

性能面に妥協せずにどこにでも連れていけるなんて、これはちょっとわくわくするじゃないか。

▲色味もかっこいいが、ちょっと指紋は付きやすいかもしれない dynabook RZ/LV