繁華街や都心部にいると、世の中はうるさすぎる。多少うるさいというベレルではなく、ずっとその場にいると具合が悪くなりそうなレベルで酷い。何かを宣伝する音、ひっきりなしに聞こえるサイレンやクラクションの音や話声などなど。とにかく情報過多で、いつの頃からかその場にいるだけで疲れてしまうようになった。
目は閉じれば情報を遮断できるけれど、耳はできない。何か別の音で遮るしかない。でも数年前からノイズキャンセリング(以下ノイキャン)によって、別の音で遮らなくても、余計な音の出力を下げることに成功した。
もはやノイキャンなしで外出するのが怖いほど依存しているので、ノイキャン性能が強化されたヘッドホンを購入するのに、ほとんど迷いはなかった。
最新世代のノイキャンヘッドホンはどうなのか、感じたことをレビューしていく。
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外音取り込み機能が優秀
まず、驚いたのは外音取り込みが非常に自然なこと。仕事中に小さな音量でかすかにBGMを聞きながら、話かけられたら即座に反応する。ということができる。(いかついヘッドホンをしているので、相手は話しかけにくいと思うけれど。)
そして、ヘッドホンをしているけれど自分の声もしっかり聞こえるので、ちゃんと会話ができる。
通勤中それほどうるさくない場所を歩く時などはこのモードを使うようになった。あまりにも自然に外音を取り込むので、自分にだけ音楽が聞こえるような不思議な感覚になった。
旧製品から一段階進化した強力なノイズキャンセリング
これはほぼ期待通り。しっかり不要な音を低減してくれる。ノイズキャンセリングは、聴覚を他者に渡さないための手段というか、自分が必要な音に集中するためのインフラだと思う。混雑する電車に乗っていても、聴覚を自分の制御化におけるとちゃんと集中できる。
Bose製品以外のノイズキャンセリングを体験したことはないので、あまり他製品との比較はできないけれど、昨年購入し3月にレビューしたBOSE QuietComfort Earbuds IIと比較すると、一段階進化したノイキャンを感じることができる。
イマーシブオーディオで音楽を聴くのが楽しい
そして、特に期待をしていなかったけど、イマーシブオーディオという機能がすごかった。イマーシブオーディオとは、立体音響や3Dサラウンド的な機能で、ライブ会場で音楽を聴いているかのような疑似体験ができる機能だ。
特に、Live音源を聴くと違いがわかる。さらに、この時、モードを、外音取り込みモードにすると、自分の発する音も聞こえるので、その場にいるような錯覚をより強く体験することができる。
Bill EvansのLive版を聴いたら、観客の咳払いや話声も聞こえ、本当にジャズ・バーにいて、目の前で演奏されているような感覚に陥った。いわゆるサラウンドとも違う不思議な感覚を味わえる。
音源による向き不向きはあれど、驚きのリスニング体験ができるため、最近のリラックスタイムは、もっぱらこの状態にして楽しんでいる。
音質も必要十分
対応コーデックはSBCとAACのみなのでいわゆるハイレゾ音源の再生には対応していないけれど、個人的には十分よい音に聴こえる。よく言われるような低音よりのチューニングというわけでもなく、高音も低音もしっかり聞こえるのでクラブ系の4つ打ちはもちろん、バラードを聴いても、一つ一つの音がはっきりと聞こえてくる印象だ。
まとめ。静寂はお金で買える
世界レベルの静謐さ。かってない上質の体験。
本製品の公式Webサイトには上記のキャッチコピーで、ノイキャン性能をアピールしている。実際に使ってみると、このアピールは決して過剰な宣伝ではなく、本当に静謐で上質な体験ができる。
5万円と決して安い買い物ではないけれど、喧騒の中で自分だけの静かな空間を買うと思えば全然払える。ノイキャンがしっかり利くことはもちろんだけれど、一つ一つの音がしっかり聞こえるという基本性能の高さに加え、イマーシブオーディオによる楽しみも兼ね備えており、非常に面白いデバイスだ。
余談
音質を比較するために、久しぶりに部屋にあったAnker Soundcore Life Q30を使った。流石にQuietComfort Ultra Headphonesの方が音質は上なのだけど、かなり頑張っていたように思う。あまりお金をかけず、ノイキャンと音楽を楽しみたい人はこちらもオススメです。
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